

代表 TAKUMI
前回のブログでは、バリュエーション、コストアプローチの時価純資産法について説明をしました。本日はバリュエーションの、EBITDAについて解説いたします。
M&A業界用語集『バリュエーション』EBITDAとは?
企業の価値はどのように決まるのか。「この会社はどれくらいお金を稼ぐ力があるのか」が株式価値に乗ってきます。修正した時価の純資産に、EBITDAが~倍として乗ってきます。ではEBITDAとは何ですか?という部分を今回はご説明します。まずP/L(損益計算書)を思い浮かべてください。売上から費用を引いたものが利益です。会社の稼ぐ力は「利益」です。ですが、利益と費用には面白い関係性があります。
営業利益について
営業利益と言われるもの。法人税などが引かれる前の、税引き前利益です。毎年、毎年計算されないもの。これを特別利益や、特別損失と言います。これが計算されたものが経常利益となります。今回は営業利益と考えてください。売上が1000万円で、費用が500万円の場合、利益も500万円になります。この会社の稼ぐ力は年間500万円となります。この営業利益を、時価純資産に乗せて計算すれば良いのか。この会社の稼ぐ力は実はもっとあります。
減価償却とは
費用の中には、役員報酬や家賃などがありますが、見落としてはいけないものが減価償却です。減価償却とは、例えば車を1台購入したとします。法定耐用年数として、何年間で償却をしなければいけないかが決まっています。100万円の車に対して、5年間での償却と決まっていた場合。5年間掛けて車の価値を償却していく考え方です。損益計算書の費用欄の減価償却に、20万円の計算が入ってきます。
ただしこれは会計上の話です。紙の上の机上の話です。去年100万円で車を購入した場合、20万円、今年は実際にお金を使っていません。脱線しますが、会社の稼ぐ力のことを、キャッシュフローと言います。実際にこの20万円は口座から出ているお金ではありません。
EBITDAの計算方法
この会社の稼ぐ力は20万円が乗っかって520万円となります。EBITDA=営業利益+原価償却。ただ現場では「修正EBITDA」を使います。M&Aの場合、M&Aした後の会社の稼ぐ力、キャッシュフローを見なければいけません。仮に役員報酬が300万円だったとします。ですが例えばM&Aの後は、買い手が売り手の会社に送る社長の年収が100万円だとします。差額の200万円はキャッシュフローに乗っかってきます。
修正EBITDAは720万円となります。M&Aの後にどれだけ稼ぐ力があるのか、修正をしていく必要があります。これが修正EBITDAです。コストアプローチで解説した、時価純資産に〇年分として積み上げます。これが株価になります。「〇年分」乗せるか。これが重要になります。「〇年分」乗せれば良いのかは次回のブログで「マルチプル」という重要ワードを使って解説をします。
本日はEBITDAについて解説しました。M&A業界に特化した情報を配信しますので、YouTubeのチャンネル登録もお願いします。


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